※ 今夜は早めに帰宅できたので、過去記事をいじります。
SERPICO
監督: シドニー・ルメット
音楽: ミキス・テオドラキス
出演: アル・パチーノ、ジョン・ランドルフ、ジャック・キーホー、ビフ・マクガイア、トニー・ロバーツ、コーネリア・シャープ、F・マーレイ・エイブラハム、アラン・リッチ
1973年 アメリカ映画
賄賂が横行する腐敗したニューヨーク市警の中で、ただ一人正義を貫く警官セルピコの姿を描いた実話の映画化。
ブルックリンで麻薬捜査中の警官セルピコが銃で撃たれ、重傷を負うところから映画が始まります。
そこから回想シーンとなり、賄賂を拒否するセルピコが、同僚からも疎まれ組織の中でだんだん孤立していく様が描かれていきます。
監督は、後に「狼たちの午後」でもアル・パチーノと組むことになる社会派シドニー・ルメット。
(この頃は、この監督もエネルギッシュで良かったのですが・・・・・90年代になるとガクンと失速していったのが残念です。)
「正義」を貫くあまり異端視されていく主人公の姿が痛々しい反面、それでも信念に従って生き抜く姿に感動します。
地味なテーマの作品ですが、全編を覆うドキュメンタリーっぽい演出と、中盤から後半にかけてのスピーディーな展開は観ていて飽きさせません。
アル・パチーノの迫真の演技がこの年のゴールデングローブ男優賞を受賞しています。
製作のディノ・デ・ライレンティスは、本作が本格的なハリウッド作品デビューだったような気がします。
音楽は、ギリシャのミキス・テオドラキス。
とはいいながら、実際にスコアを手がけたのはミキス・テオドラキス本人ではないようです。
テオドラキスは既成曲を提供しただけで、それをボブ・ジェームズがアレンジしてスコアに仕上げたらしいです。
だからこの映画のスコアはテオドラキスらしくないということで、好き嫌いが別れるのだと思います。
ボブ・ジェームズがアレンジした劇伴なら、ジャズ、フュージョン色がキツくて当たり前ですよね。
たぶんもともとのスコアはテーマ曲のみで、これをアレンジしていって他の劇伴を作ったのではないかと・・・。
テーマ曲はさすがにテオドラキスらしい雰囲気を持ったアコースティックで優しげなメロを持ったフォーク調のいい曲です。
マンドリンがすごく効果的に使われています。
でも、ジャズっぽくアレンジされたスリリングなスコアも、70年代ポリス・アクション・スコアの王道を行く雰囲気を持っており、
これはこれでいい感じに仕上がっています。
サントラは、10曲まとめられた30分弱のスコアが入っていますが、実際に本編に使用されたのはこの一部のようです。
2時間を超える作品ですが、音楽が使われたのはサントラのごく一部ということになります。
なお、CDは現在廃盤で、リマスターしたギリシャ盤が中古でえらい高値で取引きされています(T_T)
- Serpico/Mikis Theodorakis
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なお、劇中、セルピコが庭で流して聴いてるクラシックがあります。
LENOさんからの質問で、「これは何て曲?」
ということだったので、久々にレンタルでDVD借りて観てみました。
流れていたのは、プッチーニの歌劇「トスカ」の中のアリア「星はまたたき」(E Lucevan le Stelle)でした。
劇中、隣のお姉さんが「ビョルリンク?」と聞いて、セルピコが「いいや、ステファノだよ」
と答えるシーンがあります。
ステファノというのは、ジュゼッペ・ディ・ステファノ(Giuseppe Di Stefano)のことではないかと・・・・。
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- この盤が本編で使用されたそのものズバリかどうかは分かりませんが、
- ジュゼッペ・ディ・ステファノが参加している歌劇「トスカ」のCDです。
- (1953年録音)
- Puccini: Tosca/Victor De Sabata
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