LEON
監督:リュック・ベッソン
音楽:エリック・セラ
主演:ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ダニー・アイエロ、ゲイリー・オールドマン、ピーター・アベル、マイケル・パダルゴ
1994年フランス/アメリカ映画
・・今夜も平日の過去記事アーカイブシリーズ。
ジャン・レノが世界的に一躍有名になったフランス産「純愛」アクション映画。
「ニキータ」のリュック・ベッソン監督が、同作品に登場する掃除人"ヴィクトル"のイメージをふくらませて作った作品だそうです。
ジャン・レノは一見寡黙でストイックな殺し屋なのですが、毎日牛乳ばっかり飲んでたり子供みたいなところがあります。
でも女子供は絶対に殺さないという信条が硬派でカッコいい。
この殺し屋が、家族を殺された12歳の少女マチルダとの純愛をバックに、悪徳麻薬捜査官一味との戦いに巻き込まれていく姿を描いてます。
12歳の少女とおっさんとの「純愛」という設定のようですが、おっさんが可愛そうな子供を見て情が移っただけじやないかという、同じおっさんとして身もふたもない見方をしてしまいます 笑。
しかし、劇場公開版に30分近いエピソードを追加した「レオン完全版」を観ると、
やはり2人の関係は「純愛」だったのかなあという見方が強くなります。
まだ子役だったナタリー・ポートマンの確かな演技に脱帽です。
また、麻薬捜査官役のゲイリー・オールドマンの怪演が素晴らしいです。
特にインパクト大だったのが、ドラッグカプセルを噛み砕いて恍惚とするシーン。
麻薬中毒になった悪徳捜査官のキレっぶりを見事に演じています。
音楽は、ベッソン作品の常連、エリック・セラ。
この人は比較的あっさりとしたアンダースコア系の曲を書く人で、
テーマにコマーシャルなメロが付けられたのは「グレート・ブルー」ぐらいではないでしょうか。
サントラCDの1曲目に収録されている「Noon」は、派手さはありませんが、
ギャヴィン・ライトのバイオリンが印象的な、
ゆったりとしたもの悲しい響きを持ったインパクトのある曲です。
他の劇伴は、いろんな楽器が登場し、バンドネオンやアフリカン・パーカッション等まで出てきて、
様々な人種のるつぼであるニユーヨークの街を表現しているかのようです。
ただ、無味乾燥なアンダースコアもあるのが正直なところで、
この人の作品は、映像とセットで初めて真価を発揮するスコアだと思います。
特に本作品と同時に自身のソロ・アルバムもほぼ平行して制作していることから、
ネタ的にも制作日数的にもかなりの制約があったのだろうと思います。
「007 ゴールデン・アイ」の「Experiment Of Love」の原曲となるインストも入っています。
なお、ラストに流れるスティングの「Shape Of My Heart」は未収録です。