DEAD OF WINTER
監督:アーサー・ペン
音楽:リチャード・アインホーン
主演:メアリー・スティーンバージェン、ロディ・マクドウォール、ジャン・ルーブス、ウィリアム・ラス、ケン・ポーグ、マーク・マローン
1987年 アメリカ映画
メアリー・スティーンバージェンが1人3役を熱演するサスペンスの佳作。
さすがアーサー・ペン監督作品だけあって、地味ながら観始めるとグイグイ引き込まれる見応えのあるサスペンスです。
ストーリーは、売れない女優がある映画の主演女優の代役を務めることになり、プロデューサーの住む屋敷に案内されます。
屋敷では簡単なカメラテストが行われますが、その後は一向に撮影が進みません。
これを不審に思った彼女は、吹雪の中、屋敷から逃げ出そうとしますが、捕らえられ睡眠薬を飲まされます。
翌朝目が覚めると、左手に激痛が走り、なんと彼女の指が1本切断されていた・・・・というお話。
女性の指が切断されて包帯が巻かれるなんていきなり衝撃的な展開をみせる作品ですが、
猛吹雪で孤立した屋敷の中で、ほぼ3人のキャストで繰り広げられるサスペンスフルな展開が最後まで飽きさせません。
タイトルからして、メロドラマかなと勘違いしてこれまでスルーしていましたが、これは面白い。
80年代後半のサスペンスとしては異色の作品で、なんとなく70年代のミステリー・サスペンスの香りがします。
音楽は、リチャード・アインホーン。
今まで、この人のスコアって「ゲシュタポナチ死霊軍団・カリブゾンビ」しか持ってなかったのですが、
「ローズマリー」に引き続き、少しずつ我が家のCDラックにこの人のスコアが増えてます。
これまで、キワモノ的なホラースコアを書く人みたいな誤ったイメージを持っていたのですが、
なかなかにメロディアスかつサスペンスフルなスコアを書く人だなあと再認識した次第。
メイン・タイトルは、ピアノがリードを取る正統派オケスコアです。
スコア全体を通じて、ピアノが様々な表情を見せるサスペンススコアとなっています。
ちゃんとしたモチーフがあって、スコア全体に統一感があるので聴きごたえがあります。
アルバム単独でも十分に鑑賞に堪える充実した内容になっています。
ピアノが奏でる短調のリフがサスペンスをグッと盛り上げる効果を出しています。
サントラは、公開時には発売されませんでしたが、2010年になって、米Kritzerlandレーベルから
全21曲65分収録のCDが1000枚限定で発売されています。
地味な作風ながら本編同様、サントラもなかなかの力作です。