NEWS OF THE WORLD
監督:ポール・グリーングラス
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:トム・ハンクス、ヘレナ・ゼンゲル、エリザベス・マーヴェル、レイ・マッキノン、メア・ウィニンガム、フレッド・ヘッキンジャー、マイケル・アンジェロ・コヴィーノ、ガブリエル・イーバート、クリント・オベンチェイン
2020年 アメリカ映画
「ジェイソン・ボーン」シリーズのような現代的なスパイアクションの監督のイメージがある
ポール・グリーングラスがメガホンを取った西部劇。
日本では劇場公開は見送られましたが、ゆったりとしたリズムで進むロードムービー的な作品ではあるものの、しっかりガンファイト・シーンもあり、
最近あんまり製作されなくなった西部劇に飢えているおっさんとしては、
最後まで飽きることなく鑑賞することができました。
ストーリーは、退役軍人で今は新聞の読み聞かせで生計を立てている男が、
街から街へ転々とする中で、ひっくり返った馬車を見つけ、
その中にインディアンの服を着た白人の少女を見つけます。
少女はインディアンに育てられたらしく、言葉が全く通じない上に、すぐ暴れます。
男は軍に少女の本当の親族を捜してもらうため、軍の検問所まで連れていきますが、
担当者が何か月も不在であると聞き、自分で家族のもとへ送る届ける決心をするが・・・というお話。
日本ではNetflixで配信されましたが、なかなか渋くて深い味わいのあるウエスタンです。
音楽は、ジェームズ・ニュートン・ハワード。
バンジョーを使ったゆったりめのウエスタン風味なスコアもありますが、
全体的に西部劇に定番のスコアとは雰囲気が違います。
スリリングなシーンもバイオリンメインのストリングスチューンだし、
のどかで牧歌的なスコアが中心です。
しっとりとした物静かなスコアの比重が多く、落ち着いたい感じの印象がありますが、
中には「カウボーイ&エイリアン」に似た雰囲気のスコアもあります。
往年のバーンスタイン調のコテコテのウエスタンスコアを期待すると、
そういうのは一切ありませんのでがっかりされるかも知れません。
ジェームズ・ニュートン・ハワードらしさがあるかと言えば、
あまり個性は感じられませんが、これはこれでありだと思います。
従来の西部劇スコアを全く意識しない作風に妙な潔さを感じます。
大袈裟な言い方をすれば、新しい解釈によるウエスタン・スコアだと思います。