NOBODY
監督:イリヤ・ナイシュラー
音楽:デヴィッド・バックリー
出演:ボブ・オデンカーク、コニー・ニールセン、RZA、アレクセイ・セレブリャコフ、クリストファー・ロイド、ゲイジ・マンロー、マイケル・アイアンサイド、ビリー・マクレラン
2021年 アメリカ映画
平凡な冴えないおっさんが実は最強だったという、おっさん世代にとっては痛快なバイオレンス・アクション。
おっさん版「ジョン・ウィック」だなあと思ったら、「ジョン・ウィック」シリーズと脚本家が同じでした。
どおりでよく似てるわけだ。
ストーリーは、工場勤めの単調な日々を過ごす中年のおっさんが、
自宅に押し入った強盗を撃退のチャンスがあったにも関わらずそのまま逃がしてしまったことで、
家族や近所の住民から役立たずとバカにされます。
しかし、実はこのおっさん、かつては凄腕の暗殺者で、
たまたまロシアンマフィア系のチンピラがバスの中で若い女性に絡むところに居合わせたことから、
つい本気を出してチンピラたちを半殺しにしてしまい、
そこから血で血を洗う戦いが始まる・・・・というお話。
邦題が、マカロニ・ウエスタン「ミスター・ノーボディ」とほぼ一緒じゃないか笑。
マイケル・アイアンサイドがすっかり毒気のない太ったおじいさんになってたり、
コニー・ニールセンもちょっとふっくらしてて最初分からなかったりしましたが、
クリストファー・ロイドも含めて、こういう懐かしい人たちが出ている映画はやっぱり嬉しい。
続編もありそうな予感の作品でした。
音楽は、デヴィッド・バックリー。
デジタル寄りのハイブリッド・スコアで、エレキギターが全編にわたってフィーチャーされているので、
硬派なんだけど透明感もあるストイックなロックスコアという印象を受けます。
エレキギターは、クリーントーンとディストーションサウンドを上手く使い分けていて、
モグワイあたりを思わせるポストロックな香りのするスコアもあります。
ギターの他に、マーク・アイシャムを思わせるミュートを利かせたトランペットをフィーチャーしたスコアもあり、
このあたりはノワールな雰囲気が出ていてカッコいい。
静かなトーンのスコアでは、ストリングス系のシンセの他にローズピアノも使っていて、
これまたロック世代のおっさんには耳に心地よいスコアとなっています。
モチーフらしいものといえば、どこかで聴いたようなギターの短いフレーズぐらいですが、
デジロックっぽさもあるので、全体的に激しめのスコアが多く退屈しません。
サントラは、ダウンロード版が発売されていますが、
全10曲25分と収録時間が短いのがちょっと残念。