THE HOWLING
監督:ジョーダンテ
音楽:ピノ・ドナジオ
主演:ディー・ウォーレス、パトリック・マクニー、デニス・デューガン、ジョン・キャラダイン、クリストファー・ストーン、ベリンダ・バラスキー、スリム・ピケンズ
1981年アメリカ映画
平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・
若き日のジョー・ダンテ監督が「ピラニア」に続いて撮った狼男モノのホラー。
ストーリーは、連続殺人鬼に襲われ、それがトラウマになって仕事ができなくなったニュースキャスターが、
精神科医の薦めで静養地へやって来ますが、そこの住人たちは実はある秘密を持っていた‥‥というお話。
ロブ・ボッディンによる特殊メイクがしっかりしていて、この手のB級モンスター・ホラーにしては、
斬新な変身シーンなど見所がいろいろとありました。
狼に変身するシーンが描かれる映画は、ほぽ同時期に「狼男アメリカン」、「狼の血族」等があり、
どれも当時としては画期的な手法が使われていましたが、
本作品も他の作品に負けず劣らずの高水準な特殊メイクで頑張っていました。
狼が彷徨するシーンには、デヴィッド・アレンによるストップモーション・アニメが使用されたり、
B級ホラーマニアの心をくすぐる仕掛けがいろいろとあったのを覚えています。
音楽は「ピラニア」に引き統いてピノ・ドナジオが担当。
この人は、ホラーでもサスペンスでもお構いなしに甘いメロディをつける癖がある人で、
本作でも、甘美なメロディを持ったテーマを提供していています。
残酷な映画にスイートなメロディをつけるのはイタリアの伝統なのでしょうか。
その昔、リズ・オルトラーニが「世界残酷物語」や「食人族」に甘美なメロディを乗せていたのを思い出します。
本作は「エンド・タイトル」にその傾向が顕著で、ギターのアルペジオに始まって、ハーモニカがリードを取る、どことなく懐かしさを感じさせるドナジオお得意の美メロが印象的です。
ストリングスを使った割とオールド・スタイルなメイン・タイトルには狼の遠吠えが入っています。
サスペンス描写は、ホラー映画らしい大袈裟な展開もある一方で、チープないかがわしさも感じさせるB級テイスト満点のスコアになっています。
公開当時サントラLPが発売されましたが、CD化されたのはつい3年前です。
劇中のソース音源等を加えた34曲45分収録のCDが米La-La-Landレーベルから発売
されています。
LPより12曲も曲が増えていてお得です。
・・・と、ここまでが過去記事。
CDはとうの昔に廃盤になってしまい、レアアイテムとして1万円を超える法外なプレミアが付けられていましたが、現在ではダウンロード版が入手可能なので、無理に高い中古CDに手を出すことなく、音源を楽しむことが出来るようになりました。と言っても、何故かダウンロード版も3600円もするという意味不明な値段設定になっています。