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Channel: サウンドトラック秘宝館
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2010年

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2010
監督:ピーター・ハイアムズ
音楽:デヴィッド・シャイア
主演:ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ヘレン・ミレン、ボブ・バラバン、ケア・デュリア、ダナ・エルカー、マデリーンスミス、ジェームズ・マクイーチン
1984年 アメリカ映画



平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・。





謎だらけで終わったSF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」を、
「カプリコン1」のピーター・ハイアムズ監督が、監督・脚本・撮影・製作の4役をこなして作り上げた続編。
前作で謎のまま終わった「モノリスの正体」や「ディスカバリー号の行方」等、消化不良だった部分の解明を含めて描かれます。
超名作の続編を作るにあたって、ピーター・ハイアムズも相当プレッシャーがあったのではないかと思います。
しかし、出来上がった作品は、前作の哲学的というか小難しい部分を適度に分かりやすくかみ砕いて描いているので、
素直に観やすい作品に仕上がっています。
前作の荘厳なまでの格調高さは、裏を返せばおっさんのようなB級映画好きには「退屈」で「眠い」ものでした。
正直なところ、おっさんはいまだに「2001年宇宙の旅」を最後まで通して観たことがありません。
途中で必ず気絶してしまって、気がついたら胎児のドアップになって「ジャーン」と終わるという経験を何度となく繰り返しています。
そういう意味では、この続編はかなり好きです。
むしろプレッシャーにめげずに果敢に「続編」に取り組んだハイアムズ監督に拍手を送りたい。
今回は、米ソの科学者が共同チームを組んでソ連の宇宙船に乗って再びディスカバリー号が浮遊する木星を目指すというお話です。
前作にも出演したケア・デュリアが今回もボウマン役を演じていますが、この人いったい何歳なんだと思わせるほど見た目が若くて驚きです。
「何か素晴らしいことが起ころうとしている」、このボウマンの言葉の意味がラストに分かります。
この素晴らしいラストには、単細胞なおっさんはあっけなく感動してしまいました。
キューブリックが難解に作った作品を、ハイアムズが分かりやすく解読したような作品でした。
映画の背景となった2010年、もう来年の話になっちゃいました・・・・(^^;)




音楽は、デヴィッド・シャイア。
本作のオープニングにも「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れますが、
前作のものに比べるとタメがなく、あっさりしすぎな感じがします。
このバージョンは、サントラには収録されていなかったと記憶しています。
全体の劇伴は、シンセをフィーチャーしたオケスコアという趣で、
本編の前半から後半クライマックスに進むに従って、シンセ中心のスコアからオケ・スコアヘと比重がだんだんと増してきます。
そして、クライマックスでは「未知との遭遇」ばりに高らかに鳴らすという仕掛けになっています。
前半のシンセスコアの浮遊感もなかなかのもので、「ショート・サーキット」同様、
この人のシンセスコアのセンスに脱帽します。
「サブウェイ・パニック」みたいなブリブリ言うジャズ・スコアを手掛けると思えば、
こんなシンセトラックも手掛けるなんて、作風は地味ながら多才な人だなあと思います。
なお、デヴィッド・シャイアのスコアの他に「ポリス」のギタリスト、アンディ・サマーズが手掛ける
「ツァラトウストラはかく語りき」エレクトリック・バージョンが収録されています。
このバージョンはプロモーション・ビデオまで制作されましたが、最終的に本編には使用されませんでした。
映像にはマッチしなかったのでしょうね。
アンディ・サマーズの技巧的でスペイシーなギターは個人的には大好きなのですが、
スコアに使うにはリズムのアクが強すぎたのかも知れません。
ベースラインが「ブルー・サンダー」のディスコ・バージョンになんとなく似てます(^^;)





・・・と、ここまでが過去記事。

いまだダウンロード版は発売されず、一時はCDの中古がAmazonで1万円近いプレミアがついていた時期がありますが、最近はかなり中古もお求めやすい価格になっています。




 


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