THE DIRTY DOZEN
監督: ロバート・アルドリッチ
音楽: フランク・デ・ヴォール
出演: リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、ジム・ブラウン、チャールズ・ブロンソン、ジョン・カサヴェテス、リチャード・ジャッケル、クリント・ウォーカー、テリー・サヴァラス、ジョージ・ケネディ、ラルフ・ミーカー、ロバート・ライアン、
ドナルド・サザーランド、ロバート・ウェッバー、トリニ・ロペス
1967年 アメリカ映画
平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・
名匠ロバート・アルドリッチ監督が撮ったオールスターキャストの戦争娯楽巨編。
D-DAY前夜、死刑囚ばかり12人を集めた特殊部隊でフランスにあるドイツ軍将校専用の高級慰安施設を襲撃させるというお話。
いわゆる「無頼漢モノ」ですが、「コマンド戦略」等に比べると、狙うのが司令部じゃなくて高級クラブで、そこへ集まる多くの将校を殺害するという作戦自体からしてメチャクチャです。
作戦も結構ずさんで、ドイツ軍将校に化けて施設に潜入したものの、ドイツ語が分からなくて右往左往したり、
地下壕に逃げ込んだ将校を慰安婦共々焼き殺してしまったりといったとんでもないシーンまであります。
囚人を集めて訓練する前半はコミカルな味付けが施されているので、中だるみすることなく後半のクライマックスまで一気に観ることができます。
全体的にあまりシリアスなストーリーではないので、気楽に観ることができます。
また、本作品の見所の一つに軍用車両の凄さがあります。
ホンモノのドイツ軍の18トンハーフトラックが出てきて実際に走ります。
185馬力V-12エンジンの音といったら・・・、スゴイの一言です。
音楽は、アルドリッチ監督とはほとんどの作品でコンビを組むことになるフランク・デ・ヴォール。
テーマ曲はあまり表情の無い骨太な曲で、泥臭いマーチングドラムが印象的です。
その一方で、劇伴の方はコミカルな前半に付けられたスコアが陽気な印象を与えます。
「トムとジェリー」のような雰囲気の音まで出てきたりします。
全体を通してマーチング・ドラムの音がしっかりバックに入っていて、一聴して戦争映画のスコアと分かる音になっています。
スタンダードやスーザのマーチがモチーフになってスコアの随所に顔を出します。
サントラはこれまで3回CD化されています。
最初は英EMIレーベルから出たMGM作品もののサントラ。
フランシス・レイの「脱走山脈」とのカップリングになっていました。
しかし、これはマスタリング等がしていない上に、オリジナルのLPより音が籠もっているというシロモノ。
その後、米Chapter3というレーベルからサントラが発売されましたが、会社が倒産して廃盤。
そして今回、米FSMレーベルから完全盤がめでたくリリースされました。
このレーベルの売りである、フィルム・バージョンのスコアで大半が構成されており、大満足です。
しかも当時の音源としては音質もかなりイイです。
全35曲入り(一部LPバージョンの曲もボーナスで入っています)、3000枚限定です。
・・・と、ここまでが過去記事。
その後、本作品の現代版リメイクの話が出ましたが、どうなったのかよく分かりません。
サントラも、残念ながらダウンロード版は出ておらず、CDも廃盤になったままです。