LA PRIMA NOTTE DI QUIETE
監督:ヴァレリオ・ズルリーニ
音楽:マリオ・ナシンベーネ
出演:アラン・ドロン、ソニア・ペトローヴァ、レア・マッセリ、ジャンカルロ・ジャンニーニ、レナート・サルヴァトーリ、アリダ・ヴァリ
1972年 フランス映画
アラン・ドロンが、イケメンの色男からくたびれた中年男を演じ始めた頃の作品。
おっさんはあんまり観ないタイプのドロドロとした男女のドラマです。
ストーリーは、高校の臨時教員として赴任した中年男が、受け持つクラスの中で一際目を引く女子学生といい仲になってしまいますが、男は既婚者で妻も他の男とこっそり不倫している様子。男は妻と女子学生との間で気持ちが揺れますが、女子学生には人には言えない秘密があり、男は破滅への道をひた走ることになる・・・というお話。
アラン・ドロンの映画って、ドロドロしてハッピーエンドで終わらない作品が多いイメージがあるのですが、本作品もいい終わり方をしません。
おっさんは、当時まだ小学生だったこともあり70年代のこうした大人のフランス映画をあまり観ていないので、後になって音楽から入るパターンが多いです。この作品もメイナード・ファーガソンが参加しているということで興味を持って、大人になって初めて本編を観た次第。
でも、大人になって観ても決して楽しい映画ではなかったなあという感想でした。
パチモンやB級映画ばかり観てる精神年齢の低いおっさんには、
こういう大人の映画の良さはいくつになっても分からないんだと思います😅
音楽は、マリオ・ナシンベーネ。
全編けだるいジャズスコアになっていて、「ロッキーのテーマ」でお馴染みのメイナード・ファーガソンのトランペットが大々的にフィーチャーされている他、テナーサックスのロベルト・プレガディオも参加しています。
メイナード・ファーガソンのトランペットが退廃的な雰囲気を醸し出すのに高い効果を上げています。
トランペットとサックスの掛け合いが主役2人の対話に置き換えられている感じで、こういう手法って最近のスコアにはあんまり無いなあと思うと、なんだか懐かしさが込み上げます。
スコアは、ゆったりとしたテンポのジャズスコアが中心ですが、1曲だけテンポのあるスリリングなスコアが登場し、ファーガソンのスピード感溢れるソロプレイを堪能することができます。
アンダースコアらしいものはなく、この頃のサントラらしく、劇伴といえどもメロディのある「聴かせるスコア」となっています。(恐らく再録音なんだと思いますが😅)
サントラは、レコード盤では、A面が5曲収録されている一方で、B面は6分超えの曲を2曲含む全3曲という構成。
公開時には、LPが発売されたほか、1996年に日本のSLCからLPと同内容のCDが発売され、2016年にはQuartetレーベルから「激しい季節」(1959年)とカップリングになった2枚組CDが発売されています。