THE CONVERSATION
監督:フランシス・フォード・コッポラ
音楽:デヴィッド・シャイア
主演:ジーン・ハックマン、ジョン・カザール、アレン・ガーフィールド、ハリソン・フォード、テリー・ガー、ロバート・デュバル、フレデリック・フォレスト
1973年アメリカ映画
平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・
フランシス・フォード・コッポラが「ゴッドファーザー」で儲けたお金で撮ったんじゃないかと思ってしまう、地味でパーソナルな雰囲気のサスペンス映画。
地味な作品ながら独創的でしっかりした演出により、74年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しています。
ストーリーは、盗聴のプロが依頼を受け、たまたま録った他人の会話から殺人事件の計画を知りますが、
殺人がそのまま実行されてしまったことから良心の呵責に苛まれ、
遂には自分も盗聴されているのではないかという強迫観念に陥っていく・・・というお話。
ジーン・ハックマンがプロの盗聴屋を演じますが、後の「エネミー・オブ・アメリカ」でも同じような役を演じていて、両方を比べてみると面白いです。
プロの盗聴屋の顔を持つ孤独な中年オヤジをハックマンが見事に演じていて、
劇中ジャズのレコードを聞きながらサックスを演奏するハックマンの一人セッションがまた孤独感を倍増させてました。
音楽は、コッポラの義理の弟(つまり「ロッキー」のタリア・シャイアの夫)、デヴィッド・シャイア。
全体的にピアノを基調としたシンプルなスコアです。
テーマは主人公の孤独感と不安感が見事に表現された、不安げなメロが何度もループするクールなジャズ・チューン。
不協和音系の不安定なメロがバックでグルグルと回るので、ループするメロの着地点が予想出来ず、聴いていても何だか不安な気持ちになります。
他のスコアもジャズをベースにしたクールなトラックが中心で、大半がシャイア自身のピアノによる静かで物悲しい曲です。
なお、一部のスコアには不協和音や不気味な騒音のような音が入るものもあります。
主人公がサックスを演奏するバックのレコード音源もデヴィッド・シャイアが作曲したジャズ・コンボになっています。
なおレコーディングに参加したジャズ・ミュージシャンは、ドン・メンザ、コンテ・コンドーリ、ピート・ジョリー、レイ・ブラウン、シェリー・マン、ジャック・ニミッツといった面々です。
このスコアは、1974年のアカデミー音楽賞にノミネートされていますが、
映画公開当時には、何故かフル・スコアのサントラ盤は発売されませんでした。
音源化の要望の強い作品でしたが、2001年に米lntradaレーベルから限定盤のCDが発売されました。
アルバムのラストに、本編には未使用でしたが、テーマのジャズ・アンサンブル・バージョンが収録されています。
・・・と、ここまでが過去記事。
その後、今年になってイギリスのsilva screenレーベルからCDが再発されました。
ダウンロード版も入手可能です。