THE FLASH
監督:アンディ・ムスキエティ
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演:エズラ・ミラー、サッシャ・カジェ、マイケル・シャノン、ロン・リヴィングストン、マリベル・ベルドゥ、カーシー・クレモンズ、アンチュ・トラウェ、ベン・アフレック、マイケル・キートン、ジェレミー・アイアンズ、シアーシャ=モニカ・ジャクソン、ルディ・マンキューゾ、ガル・ガドット、ジェイソン・モモア
2023年 アメリカ映画
DCコミックスのスーパーヒーローもの。
地上最速のヒーロー「フラッシュ」が主人公ですが、「ジャスティス・リーグ」つながりで、
バットマン、ワンダー・ウーマン、アクアマンもちょっぴり顔を出します。
ストーリーは、実験室で雷に打たれたことをきっかけに超高速移動能力を得たヒーロー”フラッシュ”が、
超高速移動の中で自分に時空を超える能力があることに気づき、子供の頃に亡くなった母を助けようと
時空を超えて歴史を改変してしまったことから、スーパーマンのいない世界にゾッド将軍が現れ、
地球は最大の危機に直面する・・・・というお話。
最近流行りのマルチバースものですが、オールドファンには感涙の仕掛けがしてあって、
マイケル・キートンの「バットマン」が観れるという大サービスがあります。
しかもただ登場するだけではなく、しっかり本編でバットマンとして重要な役割を演じます。
衣装もバットモービルもマイケル・キートン版のもので登場します。
「バットマン」をマイケル・キートン版から観てきたおっさん世代にはかなりウケる作品なのではないかと思います。
さらに、マルチバースの世界では、クリストファー・リーヴのスーパーマンとヘレン・スレイターのスーパーガールが並んで佇むシーンや、実現しなかった幻のティム・バートン監督版のニコラス・ケイジのスーパーマンも観れます。
(たぶん、どれもCGだと思うけど・・・・)
アクションは今時のCGたっぷりで情報量の多い目まぐるしい派手なシーンの連続ですが、
最後にはホロリとさせられるし、いい意味で万人受けしつつ映画好きには分かる多少マニアックな小ネタも仕込んだ
安定感のある作品でした。
音楽は、ベンジャミン・ウォルフィッシュ。
「シャザム」もそうでしたが、この人はヒーローもののフルオケスコアを書かせるとすごく上手い。
今回もダニー・エルフマンが手掛けたヒーローもののオケスコアを思わせるダイナミックなスコアを提供しています。
さらに、ティム・バートン監督版のバットマン(マイケル・キートン)が活躍するので、
スコアもダニー・エルフマンが作ったバットマンのモチーフが活躍します。
そのため、劇伴もいよいよダニー・エルフマンそっくりなアクションスコアになっていきます。
ストリングスのリフや女性コーラスの使い方などなどエルフマンそっくりです。
しかも、このモチーフを使った「燃え度」の高い劇伴が次々と出てくるので、おっさんは大喜び。
懐かしさ満点のヒロイックなオケスコアに仕上がっています。
ただ、バットマンのモチーフが活躍しすぎて、フラッシュのモチーフが希薄なのが残念。
この他に、若干アラン・シルヴェストリ風なオケスコアがあってマーベルものを彷彿とさせたり、
エンドタイトルではジョン・ウィリアムズを思わせるブラスも入って豪快に鳴らします。
最近なかなかお目にかかれない好スコアでした。
挿入曲もいろいろあるのですが、個人的には、シカゴの「長い夜」がハマりました(笑)。
サントラは、今のところダウンロードとLPが発売されていますが、
来年1月にはCDも発売されるようです。
全43曲83分たっぷり収録されています。