BARRACUDA
監督:ハリー・カーウィン、ウェイン・クロフォード
音楽:クラウス・シュルツ
主演:ウェイン・デヴィッド・クロフォード、ジェイソン・エヴァース、バート・フリード、ロバータ・レイトン、ウィリアム・カーウィン、クリフ・エミック
1978年 アメリカ映画
本邦劇場未公開ながら意外に面白かった70年代のパニック・サスペンス。
月曜ロードショーで初めて観たのですが、最初は「ジョーズ」のパチモンかと思ってたら、後半は陰謀ものに変わっていくという変わり種。
ストーリーは、行方不明事件が続く海岸で、海洋汚染調査をしていた学生たちが近くの化学工場の廃液が原因でカマスが凶暴化して人々を襲っていることを知りますが、実はその裏でもっと恐ろしい計画が進行していた・・・というお話。
これまで映画にはいろんなお魚が登場して、人間を襲ってきましたが、今回暴れる魚は「カマス」。
先っぽの尖ったシャープなシルエットのお魚で、これが全速力で突っ込んで来たら、さぞ怖いことでしょう。
カマスの襲撃シーンは、断片的にしか出てきませんが、ちぎれた手首が海中を漂ったり、結構怖かったのを覚えています。
当時のパニックものは、不穏な余韻を残しつつも、一応一件落着して終わるものが多かったように思いますが、本作品は直球のバッド・エンディングで、なんとも言えない後味の悪さがいつまでも記憶に残ります。
テレビ放映時のタイトルは、オリジナルタイトル同様「バラクーダ」だったと記憶しています。
音楽は、クラウス・シュルツ。
ドイツが誇るプログレミュージシャンで、シンセを操ってエクスペリメンタルかつヒーリングな音楽を奏でるアーティストです。
本スコアは、映画のタイトルロールの表記によると
演奏はフランクフルト・ラジオ・オーケストラで、
サントラもislandレーベルから発売されていることになっているのですが、何らかの理由により中止されたようです。(タンジェリン・ドリームの「ザ・キープ」と同じようなことになってる。)
よって、サントラは存在しません。
多作な彼のいろんなアルバムを調べてみたのですが、レギュラー・アルバムに挿入された形跡もありません。
スコアは、モワ〜ンとした雰囲気重視のシンセスコアもありますが、タンジェリン・ドリームを思わせるビョンビョンのシーケンスパターンを使ったアクションスコアなどもあってなかなか面白い。
オープニングタイトルは、「テネット」でも使われた無限音階を使ったいつまでも音が上がっていく感じのスコア。
エンド・タイトルはちょっぴり「アギーレ神の怒り」を思わせるホラーなテイストのあるシンセに打ち込みのビートを重ねたシンセロック。
映画のタイトルロールにクレジットされるぐらいですから、ちゃんとした音源があるんだと思うので、どこかのレーベルで発売してくれないかなあ。