THE AMATEUR
監督:チャールズ・ジャロット
音楽:ケン・ワンバーグ
出演:ジョン・サヴェージ、クリストファー・プラマー、エド・ローター、マルト・ケラー、アーサー・ヒル、ニコラス・キャンベル、グレアム・ジャーヴィス、ジャン・トリスカ
1981年 アメリカ映画
元ニューズウィーク誌のジャーナリストだったロバート・リッテルの小説「チャーリー・ヘラーの復讐」を
「ダブ」のチャールズ ・ジャロット監督が映画化したサスペンス。
ストーリーは、恋人をテロリストに殺されたCIAの職員が、テロリストの殲滅を上層部に掛け合うも相手にされず、
怒った彼は自分の暗号技術を使って作成したCIAの機密に関する暗号文と引き換えに、
自身がエージェントとして活動するための基礎訓練の実施とテロリストの追撃許可を約束させます。
訓練を積んだ彼は復讐のため単身テロリストを追い始めますが、
彼を疎ましく思うCIAからも命を狙われることになる・・・というお話。
主人公がエージェントではなく、暗号解読担当の技術職員という設定や、
主演がジョン・サヴェージということも手伝って、派手なアクションシーンも少なく地味な印象は拭えませんが、
地味なりにそこそこ面白い作品だったと記憶しています。
70年代から80年代にかけて流行った、組織の腐敗を描いたポリティカル系サスペンスの1本。
そういう系統の作品なので、CIAからも命を狙われる理由について種明かしがありますが、
「あ~、そういうことね」という感じで驚きはありません(笑)。
音楽は、「フィラデルフィア・エクスペリメント」のケン・ワンバーグ。
メイン・タイトルは、チェンバロとフルートがメインのバロック調のクラシカルな曲。
劇伴は、ガラリと雰囲気が変わって007の劇伴を思わせるスコアや、
ちょっぴりジャズが入ったサスペンススコアが登場。
バイオリンとバンドネオンのコラボによる哀愁たっぷりの曲もあります。
躍動感のあるアクションスコアはないので、全体的に地味な印象は否めませんが、
まだデジタルシンセに侵食される前の80年代初頭のオーソドックスなオケスコアなので、
聴いていて安定感があります。
エンド・タイトルでは、メイン・タイトルとは対照的なワルツのリズムをバックに
劇伴のモチーフを使ったスコアが流れます。
サントラは、公開当時は発売されず、2002年にベルギーのpromethusレーベルからリリースされたCD
"film music of ken wannberg vol.3"の中に本作品から9曲が収録されました。
現在では、この9曲単独のダウンロード版が入手可能となっています。