BEAU IS AFRAID
監督:アリ・アスター
音楽:ボビー・クルリック
出演:ホアキン・フェニックス、ネイサン・レイン、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、パティ・ルポーン、エイミー・ライアン、パーカー・ポージー、ドゥニ・メノーシェ、ゾーイ・リスター=ジョーンズ
2023年 アメリカ映画
「ヘレディタリー」で衝撃的なデビューを飾ったアリ・アスター監督が手掛ける奇想天外なスリラー。
ブラック・コメディの要素もある異色の作品です。
ストーリーは、極めて治安の悪い街のアパートに一人暮らしをする臆病な主人公が、離れて暮らす母が亡くなったと聞き、遠く離れた実家を目指しますが、途中で様々な災難に見舞われる・・・というお話。
主人公ボーが次々と災難に遭うロードムービー的な内容で、上映時間が3時間もあります。
様々なエピソードを重ねる構成なので、3時間がそう長くは感じません。
途中、合成アニメっぽい演出になるシーンがあったり、劇中劇があったりで、
おっさんは退屈はしませんでした。
一見難解のようで、デヴィッド・リンチ作品に比べると充分まともな内容ですが、
さすがに主人公の悪夢に3時間付き合うのはキツいという人もいるかも知れません。
「ヘレディタリー」のような暗黒ホラーを期待すると、「ミッドサマー」以上に裏切られますので、ご注意を。
ホアキン・フェニックスが体重を増やしてブヨブヨの体型で熱演している上に、
ち◯ぽこときん◯まが丸出しになるシーンまであります。かわいそうなホアキン。
なお、R15+指定は、ゴアシーンがあるからではなく、恐らくち◯ぽこやお◯ぱいが出るからか。
音楽は、「ミッドサマー」でも組んだボビー・クルリック。
スコアの方も不穏な空気を漂わせるものが中心となっています。
ヒーリング系のスコアや室内楽風のものもありますが、基本的に楽しいスコアはありません。
ハープや大人しめのストリングス、女性のソプラノによる静かなで神秘的なスコアもあります。
スコアだけで楽しめるようなものは基本的にありませんので、
映画をご覧になった方がコレクションの一つとして、とりあえず持っておこうというレベルの作品かもしれません。
中には激しいトラックもありますが、基本的には小編成の楽器による控えめなスコアと言う印象です。
デヴィッド・リンチ作品でよく聞かれる、土管の中を風が通るような空気のようなスコアもあります。
ラスト近くになって突然ダイナミックなスコアが登場します。
最近の映画にしては珍しく、この作品はエンドクレジットに音楽が一切流れません。
サントラは、ダウンロード版が発売されています。