ドミノ・ターゲット

THE DOMINO PRINCIPLE
監督：スタンリー・クレイマー
音楽：ビリー・ゴールデンバーグ
出演：ジーン・ハックマン、キャンディス・バーゲン、リチャード・ウィドマーク、イーライ・ウォラック、ミッキー・ルーニー、ケン・スウォフォード、ネヴァ・パターソン、エドワード・アルバート
１９７６年　アメリカ映画

うちのブログ、「７０年代作品を中心に」と言っておきながら、
最近はイタリアのカス映画やホラーが増えているので、今日は原点回帰します。

当時、アクションスター（？）として人気のあったジーン・ハックマンをメインキャストに持ってきたサスペンス。
名匠（パチモン好きの僕からみたら、ハリウッドの監督はみんな名匠だけど）スタンリー・クレイマー監督の
本邦公開作品としては遺作になる１本です。
ベトナム帰りの元狙撃兵とその恋人が巻き込まれるサスペンスを描いた佳作です。
名匠がメガホン取ってるし、キャストも豪華だし、そこそこ面白かったような記憶があるのですが、
この映画にはどこか地味なイメージがあって、あんまりヒットしなかったんだろうなあ。
ＤＶＤも安価で出回っているので、興味のある方は是非どうぞ。
ストーリーは、人妻と不倫関係になりその夫を殺害した容疑で服役中の元狙撃兵が、
ある組織から脱獄の手助けをする見返りにある人物の狙撃を依頼されます。
脱獄は成功し人妻と再会を果たしますが、狙撃の相手が政府要人だったことから、
仕事を断ると人妻を人質に取られてしまい、やむなく仕事を引き受けることに・・・・というストーリー。
全体的に手堅くまとめられた大人の映画という感じです。
あのラストも印象的。
まあ、今から４０年も前の作品なので、あくまでストーリー重視、
派手なアクションを期待すると大いに裏切られるので、
「おっさん限定」、「よい子のみんなは観ても面白くないよ」的な１本というところでしょう。

音楽は、ビリー・ゴールデンバーグ。
ＴＶムービーの仕事が圧倒的に多いことから、サントラが少ないことで知られる人です。
本編のオープニングとエンディングに流れる主題歌”Some Day Soon”は、子供の頃にラジオで聴いたときは、
はっきり言って好きになれませんでした。
イントロの「Some Day Soon・・・」が始まったら早送りでした。
今聴くとそうでもないのですが・・・・大人の歌です。
歌っているのは、女性シンガーのShirley Eikhard。
作曲は、ビリー・ゴールデンバーグ自身が担当しています。
彼女のオリジナルアルバムで「Horizons」も、この曲を歌っていますが、
ＡＯＲっぽいオリジナル・アルバムでのバージョンの方が僕は好きだなあ。
劇伴は、地味なビリー・ゴールデンバーグといえども、最近のＲＣ系に比べたら
十分主張のあるスコアで味わい深い。
時折、マイケル・ケイメンを彷彿とさせるストリングスのフレーズも出てきます。
当時日本では、サントラＬＰがセブンシーズから出ていたのですが、
例によって日本でしか発売されておらず、もちろんＣＤ化もされていません。
ＬＰの収録時間は３０分と短いですが、これ、ＣＤにならないかなあ。
ただ、ジャケだけは変更して欲しいなあ。

ドミノ・ターゲット [DVD]/ジーン・ハックマン,キャンディス・バーゲン,リチャード・ウィドマーク