DILLINGER
監督:ジョン・ミリアス
音楽:バリー・デ・ヴォーゾン
出演:ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、ミシェル・フィリップス、リチャード・ドレイファス、ハリー・ディーン・スタントン、スティーヴ・カナリー、クロリス・リーチマン、ジェフリー・ルイス
、ジョン・P・ライアン
1973年 アメリカ映画
当時、まだ若干28歳だったジョン・ミリアスの監督デビュー作。
この人はもともとシナリオライターなので、本作品でも脚本を担当しています。
1930年代初頭に悪名をとどろかせた、極悪非道な強盗ジョン・デリンジャーの半生を描いています。
「ダンディー少佐」、「ワイルド・バンチ」のウォーレン・オーツとベン・ジョンソンが再び共演しています。
ストーリーは、1930年代大恐慌時代のアメリカを舞台に、全米各地で銀行強盗を繰り返すデリンジャーは、
FBIの執念の捜査により居場所を突き止められ投獄されますが、あっさりと脱獄してしまいます。
再び強盗を繰り返すようになったデリンジャーを追って、FBIは威信をかけた捜査を開始しますが・・・・というお話。
ジョン・ミリアスらしい骨太な作風の作品で、おっさん臭いキャスト(失礼)もいい意味で暑苦しい。
ドキュメンタリータッチでサクサクとお話が進んでいきますが、ドライな演出がニュー・シネマな雰囲気も感じさせます。
銃撃戦のシーンは、当時の作品としてはかなり迫力がありました。
登場人物は、実在の人物を実名のままで登場させていて、ウォーレン・オーツはデリンジャー本人に良く似てました。
音楽は、バリー・デ・ヴォーゾン。
本作品の音楽は、オリジナルスコアよりも1920年代から1930年代のダンスバンドスタイルの曲を
再録音したものが中心になっています。
曲は、当時の映画の主題歌などのヒット曲の中からセレクトされていて、
編曲・指揮はガス. レーヴィンが担当し、それぞれ原曲にかなり忠実に再現しています。
また、古いアメリカ民謡「レッド・リバー・バレー」をアレンジして、
デリンジャーのテーマメロの一つとして使用しています。
サントラには、バリー・デ・ヴォーゾンが手がけたスコアは15曲中4曲が収録されていますが、
フォーキーかつカントリーなスコアで、他の既成曲の再録音ものと違和感なく収まっています。
本編では激しい銃撃戦や殺伐としたシーンもありますが、
スコアのほうは全体的に賑やかでノスタルジックな印象を受けます。
サントラは、公開当時にLPが発売されています。
アンダースコア的なものは収録されておらず、とても聴きやすいアルバムです。
しかし、これまでCD化はされたことはなく、ダウンロード版も発売されていません。
70年代MCA原盤のサントラでは、本作品や「クワイヤボーイズ」がまだCD化されていません。
そろそろCD化されないかなあ。