Copkiller
監督:ロベルト・ファエンツァ
製作:エルダ・フェッリ
原作:ヒュー・フリートウッド
脚本:エンニオ・デ・コンチーニ
出演:ハーヴェイ・カイテル、ジョン・ライドン、ニコール・ガルシア 、レオナード・マン、シルヴィア・シドニー、カーラ・ロマネリ
1983年 イタリア映画
元セックス・ピストルズ、PILのジョン・ライドンが出演していたことで、本邦劇場未公開ながら知ってる人は知っているパチモン・サスペンス。
ストーリーは、汚職刑事が買った高級マンションに、麻薬捜査官ばかりを狙った連続殺人の犯人だを名乗る青年がやってきます。彼は汚職刑事の悪行の数々についても知っていたことから、刑事は青年をマンションに監禁して・・・というお話。
密室での刑事と青年の心理劇がメインのカルトな作品で、2人とも善玉ではないのですっきりしないところはあるものの、パチモンにしては結構頑張っていたと思います。
ライドンの演技も思ったほど悪くなかったので、当時のスティングみたいにもっと他の映画にも出ればよかったのにと思います。
悪徳刑事とパンクな青年の立場が次第に逆転していくのですが、サスペンスフルでなかなか見応えがあります。(・・・と言ってもおっさんがパチモン慣れしていることをお忘れなく😆)
コップキラーと言えば、「リーサル・ウェポン3」で防弾チョッキを貫通する特殊徹甲弾の名前を連想してしまいますが、本作品では単純に捜査官殺しのことを指しています。
音楽は、イタリアの巨匠エンニオ・モリコーネ。
モリコーネといえば、美メロで有名ですが、実験的なスコアやサイケなスコアなども手がけていて、本作品も、ジョン・ライドンが出ていることもあってか、前衛ロックを思わせるインストも披露しています。
全体的にベースやドラムセットでボトムを支えたオケスコアになっていて、都会的な雰囲気のポリスアクションスコアを思わせます。
モチーフには、明快なメロがあるわけではありませんが、何度も登場する印象に残るフレーズがありす。
スコアの他に、なんとチャイコフスキーのクラシックをカントリー調にアレンジした主題歌があって、スティーヴ・リンフォードという人が歌ってますが、本来は、ジョン・ライドンがスコアを手がける話もあったらしく、もしかしたらジョン・ライドンが歌う主題歌が聴けていたかも知れません。
撮影に時間が掛かりすぎたため、企画がボツになったそうで、そのおかげでモリコーネにお鉢が回って来たのではないかと想像します。
今思えば、ジョン・ライドンが手掛けるスコアも聴いてみたかった気がします。
サントラは、本国公開時に海外でLPが発売されたほか、2001年にはボーナストラック入りのCDが発売され、現在ではダウンロード版も入手可能です。