VANTAGE POINT
監督:ピート・トラヴィス
音楽:アトリ・オーヴァーソン
主演:デニス・クェイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー、シガーニー・ウィーヴァー、ウィリ
アム・ハート、サイード・タグマウイ、エドウアルド・ノリエガ
2008年アメリカ映画
平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・
大統領狙撃の決定的瞬間を、8人の目撃者、関係者の視点や立場で描いて最後には事件の全容が分かるというサスペンス。
ストーリーは、スペインで開催されたテロ撲滅サミット会場で、アメリカ大統領が大衆の前で演説を始めようと
した矢先に狙撃され、続いて会場で爆発が起きます。大混乱に陥った会場の中で、事件に遭遇した様々な立場の人の目や映像記録から複数の容疑者が浮上するが・・・というお話。
目撃者が狙撃の瞬間に遭遇するまでを、一人ずつ順番に描いていきます。
―人が終わったら、次の人物の視点でまた最初からという感じで繰り返していきます。
観ている方としては、目撃者、参考人の視点から一人ずつ当時の状況が明らかになっていくので、謎解きという点では面白い発想だと思います。
90分しかない上映時間に上手くまとめていて、時系列をいじった作品としては、画期的な作品という呼び声もあります。
編集を担当したスチュワート・ベアード(「エグゼクティヴ・ディシジョン」の監督)がいい仕事をしています。
音楽は、新人のアトリ・オーヴァーソン。
現在38歳の新進気鋭の作曲家だそうです。
音を聴いてすぐ分かるとおり、ハンス・ジマー率いるRC所属の作曲家です。
RC所属ということで、ハンス・ジマー(音楽コンサルタント)、ニック・グレン=スミス(指揮)あたりがバックアップしてます。
元Oingo Boingoのギタリスト、スティーヴ・バーテクも指揮を手伝ってるようです。
この人が手がけたサントラは今回初めて聴いたのですが、RCの王道を行く路線です。
最近のアクション・スコアによくあるパターンで、パルス音風の打ち込み+エレキ・ギター+オケといった編成で、メロは控えめでヒヤリとしたクールな感触のあるスコアです。
アクション・シーンはビート感とデジロックなエッジが強調されるので、控えめなメロも手伝って、クールな印象を受けます。
ジョン・パウエルの「ボーン」シリーズやエリア・クミラルの「RONIN」を思わせるフレーズも出てきます。
アンビエントな雰囲気も感じられるスコアで、最近のRC系によくあるパターンのスコアといえます。
これも時代の流れなんだと思いますが、こういうスコアを聴くと、余計に70年代、80年代のスコアを懐かしんでしまうのはおっさんだけでしょうか。
・・・と、ここまでが過去記事。
CDは今も比較的安価で買えるようですが、ダウンロード版は出ていないようです。