WHERE THE CRAWDADS SONG
監督:オリヴィア・ニューマン
音楽:マイケル・ダナ
主演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、テイラー・ジョン・スミス、ハリス・ディキンソン、マイケル・ハイアット、スターリング・メイサーJr.、デヴィッド・ストラザーン
2022年 アメリカ映画
ヒューマンドラマに近いミステリーとでも言いましょうか、暇つぶしに見始めたらグイグイと最後まで引き込まれてしまった作品。
全世界で1200万部以上を売り上げたディーリア・オーエンスの同名ベストセラーが原作となっています。
ストーリーは、アメリカのノースカロライナ州の湿地帯を舞台に、街で暮らす金持ちでイケメンの若い男性が鉄塔の下で死体となって発見されます。殺人の容疑をかけられたのは、湿地の奥に一人で暮らす少女。亡くなった男性と少女との接点が明らかになっていく中で、彼女の過酷な生い立ちも明らかになっていく・・電話というお話。
まず、冒頭から美しい映像とスコアに引き込まれてしまいます。これから始まる物語が、決してパチモンのような駄作ではないことを証明しています😁
続いて田舎街で若い男性が殺される殺人事件が起こり、犯人探しでまたまた引き込まれるという仕掛け。さらには、後半に法廷劇が用意されているので、面白くない訳がない。
ラストのオチもなかなか。とても見応えのある作品でした。
音楽は、マイケル・ダナ。
この人は、「ライフ・オブ・パイ」でアカデミー作曲賞を受賞していますが、オーソドックスなオケとオリエンタルな音を融合させるのがすごく上手い人です。
個人的には、この人の書くスコアはエスニック風味を加えたオケスコアのイメージが強いのですが、本作品ではフォーキーな要素を絡めたスコアになっています。
本編は、女性ソプラノとストリングスによるリリカルなスコア幕を開けます。映像と相まって美しいオープニングです。
全体的に穏やかなスコアが多い印象ですが、柔らかいメロながらもモチーフはちゃんとあります。
アクションシーンも、ドコドコやったりジャジャジャジャやったりすることはなく、ストリングスをメインに表現しています。
恐らくマイケル・ダナご本人が弾いているのではないかと思われるピアノと弦楽器による落ち着いた雰囲気のスコアも耳に残ります。
劇伴の中で、いくつかアイリッシュなアレンジのスコアが出てきます。この地方には、アイルランド系の移民が多いのでしょうか。
この映画のために書き下ろされたテイラー・スウィフトが歌うエンディングソング(主題歌)も良い余韻を残します。
サントラは、CDとダウンロード版が発売されていて、エンディングソングはアメリカではシングルカットされて、ゴールデングローブ歌曲賞にノミネートされ、MTVムービーアワード歌曲賞を受賞しています。