THE STALKING MOON
監督:ロバート・マリガン
音楽:フレッド・カーリン
主演: グレゴリー・ペック、エヴァ・マリー・セイント、ロバート・フォスター、ノーランド・クレイ、ヘンリー・ペックマン、フランク・シルヴェラ、ロニー・チャップマン
1968年 アメリカ映画
本日は、グレゴリー・ペック主演の60年代後期の異色ウエスタンをご紹介。
ストーリーは、10年間アパッチに囚われていた白人女性とその息子を元軍人の男が救出し、自分の家に匿いますが、子供の父親であるアパッチの族長からの執拗な襲撃を受けることになる・・・というお話。
西部劇なのですが、神出鬼没なやり方で襲撃してくるアパッチの恐怖を描こうとしたあまり、サスペンスを通り越して限りなくホラーにシフトしてしまった作品で、結構怖い。
でも、考えようによっては、最初の経緯はどうあれアパッチとしては血のつながった息子が突然さらわれれば、血眼になって取り返そうとするのは親として当然なのではないかという気もしますが・・・。
ロバート・マリガン監督、アラン・J・パクラ製作なので、普通のウエスタンにはなり得なかったであろうことは容易に想像が付きますが、かなり風変わりな作品に仕上がっています。
脇役ですが、おっさんのお気に入りB級スター(失礼)のロバート・フォスターが出ています。
音楽は、フレッド・カーリン。
テーマ曲は、オケやギターをバックに口笛がリードを取るゆったりめのウエスタンスコア。
このテーマは、劇伴でも何度かフルオケでダイナミックに演奏されます。
劇伴は、パーカッションの使い方がバーンスタインのウエスタンスコアに似た所もありますが、サスペンスにシフトした西部劇なので、定番のウエスタンスコアに加えてエッジの効いたサスペンスタッチな要素が含まれています。
このため、他のウエスタンスコアに比べてシャープな印象を受けます。
本作品のスコアは、この人が後に手掛けた「ウエストワールド」のスコアにも引き継がれているように思います。
サントラは、公開当時には発売されず、後に(これ自主レーベルかな?)Reel Music Down Underというレーベルからフレッド・カーリン・コレクションシリーズの中の1枚として1000枚限定でCDが発売されています。
このCD、プロデューサーのクレジットが名前からして日本人のようですが、海外で自主制作盤を日本の方が手がけたとするとすごいですね。
フレッド・カーリンは、映画公開時にはサントラがあまり発売されませんでしたが、CDの時代になってようやくいくつかの作品がメディア化されています。
上記コレクションのシリーズでは、この後「フレッド・カーリンTV映画音楽集」、「未来世界」がCD化されました。