YEAR OF THE GUN
監督:ジョン・フランケンハイマー
音楽:ビル・コンティ
主演:アンドリュー・マッカーシー、シャロン・ストーン、ヴァレリア・ゴリノ、ジョン・パンコウ、マッティア・スプラージャ、ジョージ・マーセル
1991年 アメリカ映画
マイケル・ミューショーの同名小説をジョン・フランケンハイマー監督が映画化したポリティカル・スリラー。
原作は小説の形を取っていますが、実話がペースになっているそうです。
どちらかと言えば、地味な作風の映画ですが、フランケンハイマー監督の硬派で力強い演出も手伝って、おっさんは結構楽しめた作品です。
ストーリーは、イタリアに赴任したジャーナリストが現地のテロ組織"赤い旅団"に興味を持ち、この組織をモチーフにした小説を書いたところ、これをきっかけに小説と同じ事件が発生し、彼はイタリアで知り合った女性カメラマンともどもテロ組織から命を狙われることになる・・・というお話。
「ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝」では、ただの可愛いお姉ちゃん役だったシャロン・ストーンが、ここではクールなアメリカ人女性を好演しています。
アンドリュー・マッカーシーは、おっさんが得意なタイプの作品にはあまり出ていないので、実はおっさんの中では印象が薄い役者なのです。
音楽は、ビル・コンティ。
いきなりグレゴリオ聖歌風の男性コーラスが出てきて、ちょっと意外。
スコアの演奏はシンセがメインになっていて、ストリングスパートなどほぼ全てシンセで演奏されている感じです。
打ち込みも使われていて、タンジェリン・ドリームそっくりなシーケンスパターンが出てきます。
これにグレゴリオ聖歌風の男声コーラスが重なるので、何ともシュールな雰囲気になります。
シーケンスパターンと言えば、ジェームズ・ホーナーの「コマンドー」を思わせるパターも出てきます。
この頃は、巨匠もシンセスコアにハマっていた時期なのかなぁ。
でも、巨匠が得意とするソウルフルなブラスセクションが全く入らないので、その手の音を期待するとちょっと肩透かしを食らいます。
モチーフはあるにはあるのですが、ちょっとインパクトに欠け、どちらかと言うと劇伴に始まり、劇伴に終わるという感じのスコアです。
その中で1曲だけアクションシーンのスコアで打ち込み特有のキレを生かしたスリリングなスコアがなかなかカッコいい。
サントラは、公開時にCDが発売されていますが、ダウンロード版は無いようです。