Il Conformista
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、ドミニク・サンダ、ステファニア・サンドレッリ、ピエール・クレマンティ、イヴォンヌ・サンソン、エンツォ・タラシオ、ジュゼッペ・アドバッティ
1970年 イタリア/フランス/西ドイツ映画
ベルナルド・ベルトルッチの代表作の一つだとおっさんは思っている作品。
高尚な作品なので、パチモン専科のおっさんごときが本作品の映画評など書けるはずもなく、
本編に関してはほとんどレビューらしいことは書けないのですが、
パチモン王国の監督なのに、なんでこんな見応えのある作品が撮れるのか不思議でなりません(笑)
ストーリーは、ファシストとして生きる男が、パリに亡命中のかつての恩師を調査するよう命じられます。
男は新婚旅行を装って、恩師に近づきますが、恩師の妻に本当の目的を勘づかれてしまいます。
恩師の妻は若くて美しく、男は新妻がいながら恩師の妻といい仲になってしまいますが・・・というお話。
恩師の妻が、男が乗る車の窓を叩いて助けを乞うシーンが強烈な印象を残します。
本作品はいちいち映像が凝っていて美しい。
カメラワークが素晴らしく、構図もユニーク。
暗殺シーンでは、もう既に一人称視点(POV)を使っています。
ちょっと映画技法に凝りすぎて、いささか食傷気味にはなるのですが、
ノワールな雰囲気も相まって映像美に圧倒されます。
ベルトルッチ監督、次作「ラスト・タンゴ・イン・パリ」を挟んで、以後は大作志向に傾いていきます。
音楽は、ジョルジュ・ドルリュー。
さすがフランスの巨匠、オープニングからスコアの存在感が半端ない。
ドルリューが得意とするリリカルなストリングス・スコアを冒頭から堪能できます。
いつも思うのですが、この頃の映画はスコアの音量が大きい。
本編に占めるスコアの比重が高いということでしょうか。
オープニングのスコアがモチーフになっていて、これが劇中何度も出てきます。
さすがこの頃の絵画だけあって、モチーフがアレンジされていろんな表情を見せます。
タンゴ調のスコアもあり、全体的に優雅な雰囲気のスコアが多い。
スコア以外の挿入曲も、いちいち落ち着きがあって、おしゃれな感じがします。
本編を鑑賞し始めて、あまり立たないうちから本作品のモチーフが脳裏に焼きつきます。
スコアや挿入曲のない部分がほとんどないのではないかと思う作品で、全編いろんな音に彩られています。
サントラは、公開時にLPが発売されたほか、後にCDも発売され、現在ではダウンロード版も入手可能です。
なお、公開時にイタリアで発売されたLPのジャケがまたオシャレで素晴らしい。
かつて日本のSLCから発売されたCDは、このオリジナルジャケのデザインを採用していました。
これ
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