THE KILLER INSIDE ME
監督:マイケル・ウィンターボトム
音楽:メリッサ・パーメンター、ジョエル・キャドバリー
出演:ケイシー・アフレック、ケイト・ハドソン、ジェシカ・アルバ、ネッド・ビーティ、イライアス・コティーズ、トム・バウアー、サイモン・ベイカー、ビル・プルマン
2010年 アメリカ / スウェーデン / イギリス / カナダ映画
ジム・トンプスンのノワール小説「おれの中の殺し屋」を映画化したクライムドラマ。
ストーリーは、真面目な好青年として街の誰からも好かれる若き保安官が、
あるきっかけで殺人衝動に目覚め、一人また一人と、理由なき殺人を繰り返していく・・・というお話。
オープニングクレジットから、オールドスタイルな静止画で懐かしい感じですが、
本編も1950年代を舞台にしているので、レトロな車やファッションがたくさん出てきます。
主人公が殺人に走る理由が明確でなく、何となくこういうことかなと思いながら、
観客は次々と凶行に及ぶ主人公の姿を追っていく感じなので、観ていて疲れる人もいるかもしれません。
淡々とお話が進み、主人公は想像通りの結末を迎えるので、
地味な印象を受けますが、静かな狂気を感じさせる作品です。
素手による撲殺シーンなどの暴力的な描写や衝動的に殺人を繰り返す設定の影響か、
公開にあたってはR15+に指定されています。
音楽は、メリッサ・パーメンターとジョエル・キャドバリー。
2人とも知らない人なのですが、メリッサ・パーメンターの方は製作者としてのクレジットが多い人で、
スコアを手掛けたのは本作のみのようです。
相方のジョエル・キャドバリーの方も、本作以外では「GOAL!ゴール!」ぐらいしかないようです。
主人公の心の闇の部分を描いていくことから、全体的にダークで救いのない旋律を持ったスコアが多いです。
たまにピアノソロによる美メロを持ったスコアが出てきますが、
これは、劇中、重要な役どころとなる2人の女性エイミー、ジョイスのモチーフとなっています。
ダークな部分は、どことなくハワード・ショアのスコアを思わせます。
全体的に楽しいスコアではないので、スコアだけ聴くとどんよりとした気持ちになってしまうかも知れません。
トータルで25分しかないスコアですが、これ位が丁度いいかも知れません。
スコアの他に、当時のブルースなどの歌モノが、随所に挿入されます。
サントラは、ダウンロード版が発売されています。